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専門家の目

鳥海 靖先生 【プロフィール】
鳥海 靖/東京大学名誉教授


20世紀から21世紀にかけて、世界でも日本でも、歴史の大きなうねりを感じさせる出来事が次々とおこりました。戦争とテロによる破壊と流血、古い体制の崩壊と新しい国づくりをめざす建設、経済のめざましい繁栄と停滞、新しく生じた摩擦・格差・貧困などなど。

そうした出来事は、突然におこったように見えるかも知れません。しかしそれらは、長い歴史の中に位置付けることで、はじめて的確に理解できるのだと思います。歴史とは、それまで生きてきた人間の悠久の営みの集積なのです。歴史を学ぶには、先ずそのことを自覚し、自分たちが、いかに多くを先人たちの作りあげた遺産に負っているかについて、知ることから始めなければなりません。

現在、日本ではさかんに国際化がさけばれ、国際人の養成が説かれています。そのために必要なことは何でしょうか。確かに外国語を学び、外国を知ることは重要です。しかし、国際人をめざすには、先ず何よりも、自国の歴史や文化について、しっかりした知識を身につけ、それをじっくり考えることが大切だと思います。

さあ皆さん、この機会に勇気を出して「歴史能力検定」にチャレンジしてみましょう。